メールマガジン第17号 配信
2014/01/29
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◆シティプロモーション自治体等連絡協議会メールマガジン 第17号
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◎コンテンツ
●[コラム] シティプロモーションの罠
●協議会からの案内:情報発信事業(PR、プロモーション)の強化
●協議会参加団体の紹介:安城市のシティプロモーション活動
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●[コラム] シティプロモーションの罠
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シティプロモーションだけでは完結しない事例をご紹介します。某自治体は、積極的に地域の魅力をターゲットを絞って発信し、知名度が向上しました。その結果、誘客も促進され、多くの観光客が訪れることになりました。一見すると、地域全体が活気づいてきたので、とてもいいことと判断していました。
この傾向が数年続きましたが、地元事業者からは「忙しくなっただけで、事業が潤わない」などの不満の声が聞こえるようになりました。一方で、観光客が増加している割には、その自治体の税収が拡大するどころか、むしろ逓減しています。なお、観光客の増加は、ほとんど税収の増加には結びつきません。この点は、機会ある時に書き込みたいと思います。そこで、それらの理由を考察すると、おもしろい事実が分かりました。
考察結果を単純化します。以前は100人の観光客が来ていて、1人あたり1000円使ってくれていました。そして、シティプロモーションを積極的に展開することにより、観光客は200人に倍増しました。しかし、1人あたりの消費額は500円に減少しているのです。つまり、自治体(地元)に落ちる総額は何ら変化していないのです。一方で、観光客が増加したぶんだけ、手間暇が増え地元事業者からは不満の声が続出したり、行政的に捉えると、交通渋滞やゴミの発生量が増加したりと・・・、という感じです。
すなわち、観光客が増加しても、自治体(地元)に、お金を落としてもらう「しくみ」を構築できなければ、地域は潤わないのです。その意味で、冒頭に記した「シティプロモーションだけでは完結しない」のです。このような事例は、枚挙に暇がありません。私が現場に足を運ぶと、「理想と現実は違いますねぇ」と言う声をよく耳にします。シティプロモーションだけではなく、総合的に捉え
ていかないと、意味がありません。
いまはシティプロモーション「だけ」に視点が集中している自治体が多い現状があります。ある意味「シティプロモーションの罠」に陥っているのです。この点は、よく注意しないといけないと思います(けど、この「シティプロモーションの罠」に当事者が気が付かないのですよね・・・。この点を指摘するのが、私の役割と自認しています)。(牧瀬稔)
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●協議会からの案内:情報発信事業(PR、プロモーション)の強化
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今回も、協議会が、次年度の活動として検討している内容を紹介します。紹介するのは、案の案という状況であるため、今後、変更する可能性はあります。
現在、既に、情報発信事業を進めていますが、次年度は、さらに強化していきたいと考えています。特に、本協議会の構成団体のスキルを活用し、情報発信事業(PR、プロモーション)を強化することで、「地域住民の愛着度の形成」および「地域の売り込みや自治体の知名度(認知度)向上による域外からの交流人口の拡大」をはかります。同事業は、規約第3条第5号に基づいて実施します。
現在、協議会の構成団体が保有する情報発信のスキルをリスト化しています。例えば、WEBおよびSNSを活用したプロモーションはユニークビジョンが担当し、会員自治体の情報発信担当人材の育成は、産業能率大学総合研究所、また、そもそも論として、「何を発信するか」等コンセプトづくりは、地域開発研究所等が担当します。体験型プログラム造成のアドバイス、大都市におけるプロモーション事業は、JTBコーポレートセールスが担います。その他、いろいろと検討しています。
次年度の講習会や研修会のテーマは、情報発信スキル向上を目指すものを考えています。年1回程度、多くの賑わいが創出できる場所(首都圏の駅、空港、公共施設等)で会員自治体の産品等を広く情報発信するイベントの実施も検討しています。会員から寄せられたイベント情報などは、JTBグループホームページやJTBパブリッシングの「るるぶ.com」に順次掲載しています。こちらも、ぜひ、ご活用ください。
繰り返しますが、上記は、まだ案の案であり、今後、理事会等で検討していき、新年度には、実施要綱等をホームページに掲載する予定です。ご期待ください。
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●協議会参加団体の紹介:安城市のシティプロモーション活動
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『ごんぎつね』『おじいさんのランプ』などで知られる童話作家・新美南吉は昭和13年から約5年間、安城高等女学校の教師をしていました。南吉にとってこの時期は、初の童話集が出版され、また、教師という社会的地位を得て、経済的にも精神的にも充実していました。
そこで安城市では、「南吉が青春を過ごしたまち 安城」をキャッチフレーズに南吉を活用したまちづくりを進めています。安城市新田町に現存する「南吉の下宿先」、安城高等女学校跡地にある「ででむし詩碑」、南吉や南吉作品をモチーフに描いたJR安城駅前商店街の「南吉ウォールペイント」などの観光資源を活かし、まちの回遊性向上及び来街促進など、交流人口の増加を図っています。
市内の子どもたちには、小さい頃から南吉作品に親しんでほしいとの思いから、平成24年度に募集した「新美南吉絵本大賞」の大賞受賞作品『二ひきのかえる』を製本化し、新生児に配布するという、安城版ブックスタート事業を今年度から開始しました。新美南吉という童話作家が安城にいたこと、「作家になる」という子どもの頃からの夢をかなえたことを知り、誇りとしてもらいたいと考えています。
現在、中心市街地の基盤整備事業が行われており、平成29年には拠点施設となる図書情報館の開館を予定しています。まちなみが劇的に変わろうとしていることを好機とし、南吉を活用した「交流人口増」、「市民の郷土愛醸成」の2つを軸としたまちづくりを推進しています。
【 編 集 後 記 】
2月7日の総会での決議事項にはなりますが次年度の活動の柱の一つに協議会加盟の民間団体(地域開発研究所、産業能率大学総合研究所、ユニークビジョン、JTBコーポレートセールス)による人材派遣事業を考えています。即ち会員自治体の施策策定に対して民間団体の知見を活用する仕組みです。詳細は総会で協議しますのでご期待ください。(M)
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◆編集・発行
シティプロモーション自治体等連絡協議会 事務局
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